【基礎編①】AIってなに? 保育士なら必ず知っておきたいAIの基礎知識

基礎編

「AIって、なんだか難しそう…」
「パソコンは苦手だから、私には無理かも…」

保育士の皆さんの中には、AI(人工知能)という言葉を聞いただけで、ハードルが高く感じる方もいるかもしれません。でも、大丈夫です!AIの基本的な知識から、保育現場で役立つヒントまで、ここで分かりやすく解説していますので、まずはおおまかなイメージをつかむ感覚で、読み進めてみてください。

【超基本】そもそもAIってなに?

「AI」という言葉、最近よく耳にしますよね。これは「人工知能」のことで、簡単に言うと「コンピューターが、まるで人間のように学習したり、考えたり、判断したりする技術」のことです。

「えっ、コンピューターが考えるの?」と驚かれるかもしれませんね。でも、実は私たちは知らず知らずのうちにAIの力を借りています。例えば、スマートフォンで写真を撮るとき、顔を自動で認識してピントを合わせてくれたり、天気予報アプリが明日の天気を教えてくれたりするのも、AIの技術が使われているんですよ。

難しく考えなくても大丈夫です。AIは、保育士の皆さんのお仕事を助けてくれる、とても賢い便利な「新しい道具」のようなものだと思ってください。

AIの得意なこと・苦手なこと

では、AIは具体的にどんなことが得意で、どんなことが苦手なのでしょうか?

AIが得意なこと(できること)の例

  • 文章を作ること: 例えば、保護者へのおたよりのたたき台を作ったり、行事のお知らせ文案を考えたりするお手伝いができます。「明日の遠足のお知らせ、持ち物を入れて優しい言葉で書いて」とお願いすると、あっという間に文章を作ってくれます。
  • アイデアを出すこと: 「雨の日の室内遊び、何か新しいアイデアないかな?」と相談すると、たくさんの遊びのヒントを出してくれます。保育の引き出しを増やす、お手伝いもしてくれます。
  • 情報を集めること: 知りたいことを質問すると、インターネット上から関連する情報を素早く見つけてきてくれます。例えば、「子どものイヤイヤ期、どう対応したらいい?」といった疑問にも、専門家の意見や様々な情報を集めて提示してくれます。
  • 単純な作業を繰り返すこと: たくさんのデータの中から必要な情報だけを抜き出したり、整理したりする作業も得意です。

AIが苦手なこと(できないこと)の例

  • 子どもたちの気持ちを本当に理解すること: AIはデータに基づいて判断しますが、子どもたちの表情や声のトーンから、その子の本当の気持ちを汲み取るのは、やはり、保育士の温かい心と経験が、なにより大事です。
  • 保育の最終的な判断をすること: AIはたくさんの情報を提供してくれますが、それをどう活かすか、最終的にどう判断するかは保育士自身です。「この子にはこの声かけがいいかな」「この活動を取り入れてみよう」といった判断は、AIにはできません。
  • 温かいふれあいや愛情を伝えること: 子どもたちを抱きしめたり、優しく声をかけたりといった、人と人との温かい関わりはAIには代われません。保育で一番大切な、心の通ったコミュニケーションは、保育士の重要な役割です。
  • 責任を取ること: AIが出した情報が間違っていることもあります。その情報を鵜呑みにせず、必ず確認し、最終的な責任は使う人間が持つ必要があります。

AIは万能ではありません。得意なことを上手に活用し、苦手なことは私たち人間が補う。そのように”AIと協力する”という考え方や姿勢が大切です。

保育現場でAIを活用する際の利点と注意点

では、保育園でAIを使うと、具体的にどんな利点(メリット)があるのでしょうか? そして、注意点(デメリット)も見ていきましょう。

AIを保育現場で使う上での利点(メリット)

  1. 業務の効率化で時間が生まれる
    • 書類作成(おたより、指導案の下書きなど)の時間を、大幅に短縮できます。
    • その結果、子どもたちとじっくり向き合う時間や、保育準備、行事の準備など、より創造的な活動に時間を使えるようになります。
  2. 保育のアイデアが広がる
    • 活動のアイデア探しや、行事の企画のヒントをたくさん提案してくれます。
    • 新しいあそびや、これまで思いつかなかったようなかかわり方のヒントなども、見つかるかもしれません。
  3. 情報収集が楽になる
    • 最新の保育情報や、気になるニュースなどを素早く集めて要約してくれます。
    • 研修のテーマ探しや、専門的な知識を深めるのにも役立ちます。

AIを保育現場で使う上での注意点(デメリット)

  1. 情報がいつも正しいとは限らない: AIが作った文章や情報は、時々間違っていたり、古い情報だったりすることがあります。必ず自分で内容を確認し、鵜呑みにしないようにしましょう。
  2. 個人情報の取り扱いに注意が必要: 子どもたちの名前や写真、家庭環境などの個人情報をAIに入力するのはとても危険です。情報漏洩のリスクを避けるため、個人情報は絶対に入力しない、園でルールを決めるなどの対策が必要です。
  3. 頼りすぎると創造性が失われる可能性: AIは便利ですが、何でもAIに頼ってしまうと、自分で考える力や創造性が弱くなってしまうかもしれません。AIはあくまで「お手伝い」として活用しましょう。

AIがもつ利点(メリット)を最大限に活かしつつ、注意点(デメリット)もしっかり対策をすることで、AIは保育士の皆さんにとって、大変心強い味方になってくれます。
 
「ただ、そうは言っても、PCに触ること自体が億劫なんだけど…」「PCとかITとか苦手…」という方もいるかもしれません。次ページの【基礎編② まずは身近なところから~PC操作をAIに聞いてみよう~】からは、そんな方にとっても、AIを簡単に心強い味方にできる具体的な方法があるので、そちらをご紹介します。