「明日の活動、何しようかな…」「今度の行事、もっと子どもたちが楽しめるようにするにはどうしたらいいかな?」AIは、そんな皆さんの日々のアイデア出しや、最新情報を活用した提案など、保育の引き出しを豊かにしてくれる頼もしいパートナーにもなります。
保育活動のアイデア探しをAIがアシスト!行事の企画・遊びのヒントが湧き出るAI活用法(リートン(wrtn))
マンネリ化しがちな活動に新しい風を吹き込んだり、行事の準備で「何かおもしろいアイデアはないかな?」と悩んだりした時に、InstagramやPinterestも良いですが、一度”AIに相談してみる”というのも一つです。多くのヒントを、インターネット上から効率的に収集し、提案をしてくれます。
おすすめ無料AI検索ツール(リートン(wrtn))の使い方
- リートン (wrtn): 様々なAIモデルを組み合わせ、目的に応じた文章生成や情報収集ができるAIプラットフォームです。特にアイデア出しや企画立案に役立つ機能が充実しています。
- 準備:まずは、【リートン(wrtn)】と検索して開き、いずれかの方法でログインします。


リートン(wrtn)は、ログインなしでも使えますが、ログインをした方が最新の生成AIモデルを使って回答をしてくれるので、ログインありがおすすめです。もちろん、利用に関しては【完全無料】です。
- 活用例1:行事の企画アイデア
- ログイン後に、次のように入力してみます。
「夏祭りで使える簡単な廃材工作のアイデア(3,4,5歳児対象)を教えてください」
- ログイン後に、次のように入力してみます。


- 活用例2:遊びのバリエーション
- 引用元や参照先の画像や動画を示してくれる時もありますが、出ない時は「画像や動画などで引用元や参照先についても、出力してください」という一文を足すと、ほぼ確実に出てきます。その上で、次のように入力してみます。
「新聞紙を使った室内遊びのアイデアを、年齢別に(3歳児、4歳児、5歳児)それぞれ3つずつ教えてください。安全に配慮した遊び方でお願いします。また、イメージがしやすいように、画像や動画などで引用元や参照先についても、出力してください」
- 引用元や参照先の画像や動画を示してくれる時もありますが、出ない時は「画像や動画などで引用元や参照先についても、出力してください」という一文を足すと、ほぼ確実に出てきます。その上で、次のように入力してみます。


以上のように、インターネット上から情報を収集して、分かりやすく示してくれます。
「Gemini」や「ChatGPT」や「Claude」などのAIチャットも、アイデア出しの壁打ち相手としては優秀ですが、2025年7月現在、引用元や参照先の画像や動画の表示がされないため、視覚情報が必要な制作や活動のアイデア出しに使うには、不向きだと考えます。そのため、ここでは紹介しておりません。AIにもそれぞれ、”得意・不得意分野があるんだ”ということだけ、覚えておいてください。
AIにアイデアを求める際のコツ
- 具体的なテーマや条件を伝える: 「おもしろい遊び」と漠然と聞くよりも、「廃材を使った製作遊びで、ハサミを使わないもの」「雨の日にホールでできる、体を動かすゲーム」など、具体的な条件を加えることで、より的確なアイデアが得られます。
- ターゲット年齢を明確にする: 子どもの発達段階によって楽しめる活動は異なります。「3歳児向け」「異年齢交流で楽しめるもの」など、対象を明確に伝えましょう。
- AIの提案をヒントに広げる: AIが出してくれたアイデアをそのまま使うだけでなく、それをヒントにして、保育士自身の経験や園の特色を加えてアレンジすることで、よりオリジナルの素敵な活動が生まれます。
AIは、”アイデア出しのパートナー”としても利用できます。上手に活用して、立案時の役に立ててください。
最新の保育情報をサクッと収集&要約 (Gemini Deep Reserch)
保育の質を高めるためには、常に新しい情報や知識をアップデートしていくことが大切です。ただ、忙しい毎日の中で、多くの情報を自分で探して読み込むのは大変なことです。そんな時、AIが情報収集と要約のお手伝いをしてくれます。
Gemini (Deep Research 機能)の使い方(無料枠制限あり)
無料版【Gemini】内にある、Deep Research機能は、情報の正確性や網羅性、文章の読みやすさなど、どれをとっても素晴らしいものですが、月に5回程の制限(※2025年7月時点)があります。そのため、無料で利用する際は、調べる内容が膨大で、専門的な情報を大量に収集してまとめて表示する際に、利用することをおすすめします。回数制限なしで利用する際は、有料プランへご加入ください。
準備:【Gemini】を検索して開きます。Googleアカウントを既に持っている場合は、アカウントを利用して、そのまま無料で使うことができます。Googleアカウントは、持っているといろいろと便利なので、作っておくことをおすすめします。作り方については、AIに聞いて、そちらの解説を見ながらでもいいですし、こちらのGoogleの解説ページから確認して、作っていただいてもいいです。

- 活用例1:特定の保育テーマに関する最新情報の収集
- 例えば、次のように入力します。
「『非認知能力』について、最新の査読済みの学術論文や文献、記事などをもとに、保育現場で育むための具体的なアプローチ方法について、それぞれの要点をまとめてください。なお、日本以外の論文を引用する際は、日本語に翻訳した上でまとめてください」
- 例えば、次のように入力します。



- 活用例2:法改正や新しいガイドラインの把握
- 次は、このような内容について調べる際も、有効です。
「保育所保育指針に関連して、2025年時点までで何か新しい通達や改訂ポイントはありますか?もしあれば、その概要と、保育現場で特に注意すべき点を教えてください。なお、ソース元については、厚生労働省をはじめとした公的機関や、信頼度の高いところからの情報をもとにして、分かりやすく教えてください」
- 次は、このような内容について調べる際も、有効です。



以上のように、出力されるものはレポート形式で、ページ数も多くなりがちです。簡単にまとめさせてページ数を抑えることもできますが、調べものや情報収集を行なう際は、できるだけ多くの情報が欲しいので、あえて簡単にするようなプロンプトは入力していません。
なお、ご興味のある方は、下記から全文をダウンロードすることもできますので、良かったら読んでみてください。
保育現場における非認知能力育成のための実践的アプローチ:最新の学術的知見に基づく考察
ただし、これらのファイルは一切、筆者の加筆・訂正はしていない=Deep Reserchからの結果そのままの内容です。情報の中身(誤情報の有無)の視点というよりは、”AIがプロンプト一つで、ここまで情報をまとめあげるんだ”という視点で、読んでいただければと思います。
他にも、「Genspark」や「Perplexity」といったAI検索が有名ですが、「無料利用」「情報の網羅性」「引用元の提示」といった点で、GeminiのDeep Researchの方が良いので、ここでは紹介しておりません。気になる方は、是非、ご自身の目でお確かめください。
情報収集・要約をAIに任せるメリット
- 時間短縮: 膨大な情報の中から必要なものだけを探し出し、さらにそれを読み解く時間を大幅に節約できます。
- 幅広い情報にアクセス: 自力では見つけられなかったような情報源や、海外の文献(翻訳機能と併用)にもアクセスできる可能性があります。
- 客観的な視点: AIは感情に左右されず、客観的に情報を提示してくれます。
利用上の注意点
- 情報の正確性を必ず確認する: AIが提示した情報は、必ずしも最新・正確であるとは限りません。特に重要な情報については、必ず情報源(元の記事や論文、公式サイトなどがファクトチェックという形で表示されることが多い)を確認し、複数の情報源と照らし合わせるようにしましょう。
- 情報の偏りに注意する: AIは学習したデータに基づいて情報を生成するため、その情報に偏りがある可能性も理解しておく必要があります。
- 最終的な判断は自分で: AIはあくまで情報収集の「アシスタント」です。得られた情報をどう解釈し、保育にどう活かすかは、保育士一人ひとりが自身で判断する必要があります。
AIを賢く使って、効率的に最新情報をキャッチアップし、日々の保育の質向上や自己研鑽に繋げていってください。